「2020年からプログラミングが新学習指導要領に入り、小学校からプログラミングに触れる授業が始まりますが準備はできていますか?」
このようなキャッチコピーをしているプログラミング教室も少なくありませんが、本当に小学校で始めるプログラミング教育とはどのようなものなのか、理解していますか?
文部科学省が考えるプログラミング教育の目的
文部科学省は、プログラミング教育の在り方についての誤解を解消しようと、プログラミング教育の目的に関する資料を公開しました。
プログラミング教育とは、子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育むことであり、コーディングを覚えることが目的ではない。
英語の羅列のようなプログラムが書ける技術者を増やすことは今回の小学校でのプログラミング教育必修化では、必ずしも全員が技術者を目指すべきという考え方ではありません。40代の親世代としては、技術家庭科の授業でミシンの使い方を学ぶようなもので、いざ仕事や日常生活で使えるような基礎力を付けるものです。
実際に、NPO法人ハックジャパンの主催するプログラミングのワークショップでも同様の質問をされる保護者の方もおりました。
NPO法人ハックジャパンのプログラミング教育への考え方
NPO法人ハックジャパンでは、プログラミング教育とキャリア教育という2つの分野で事業を行っていますが、いずれも「自ら考えて、行動できる次世代の若者を育てる」ということを行っています。
これらは、大きく「テクノロジーの活用」「自ら課題を解決する力」の2つに分かれており、小学生から高校生の子どもたちに対して、テクノロジーや起業家教育などのワークショップを定期的に提供しています。
(自治体や学校でのワークショップも行っています。教育機関・PTA・自治体の方はNPO法人ハックジャパン事務局までお問い合わせください。)
プログラミング教育必修化の間違った考え方や動き
小学校でのプログラミング教育の必修化でノートパソコンを購入する必要があると思われている家電量販店や親御様が多数おられますが、確かに小学校の頃から身近にノートパソコンが家にあることは大切なことではありますが必ずしも、プログラミング教育の必修化とは関連の無いもので、電子辞書の購入のように今すぐ全員が必要という訳ではありません。
埼玉県を中心に展開する家電量販店のウェブサイトより
また、プログラミング教室の人気が年々高まっていますが、現在のプログラミング教室の多くでは技術を教えるための教室が多く、技術を活かす部分まで網羅できている教室が少ないことが現状としてあります。
学校現場や家庭で「今」できること
なぜ起こるのか?
何をすれば、どうなるのか?
社会の中の不思議に対して、大人が問題を作り、答えが1つではない問題に対して答えを一緒に導いていく教育を進めることが大切です。
なぜ「自動販売機はお金が足りないと飲み物が買えないのか?」という疑問に対して、どのような条件分岐で発生しているのかを紙に書きながら考えてみる。などもいい練習になるかもしれません。
答えが1つでない疑問に対して様々な答えを考えて、思考力を養う授業。是非、一度ご家庭や学校で実践してみてください。
ハック総研では、プログラミング教育やキャリア教育に関する家庭や学校でも実践できる知恵や事例を皆さんに今後もお届けしていきます。